日本視能訓練士協会誌
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教育講演
波面収差の測定方法、角膜・水晶体と収差の関係、見え方のシミュレーション
広原 陽子
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2017 年 46 巻 p. 27-34

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抄録

 患者が見え方にボケ等の違和感を訴えた場合、眼の状態を診察し、推測によってボケの原因を決定していたが、波面センサーにより収差測定装置が開発されてからは、眼の光学系にボケの原因がある場合は定量的な検査が可能となった。波面収差とは、実際の波面と、理想的な、つまり1点に集光する光学系での波面との間のずれである。波面測定の代表的な原理はハルトマン-シャック波面センサーで、ハルトマン像を取得することで収差を測定することができる。波面収差を表す方法としては、ゼルニケ多項式が利用される。収差の例として、角膜に起因する円錐角膜やLASIK、水晶体の屈折率分布が変化する白内障などが挙げられる。これらの特徴を知ることにより、診断の一助となり、患者が感じる不快感を共有できる可能性がある。

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© 2017 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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