繊維機械学会誌
Online ISSN : 1880-1994
Print ISSN : 0371-0580
ISSN-L : 0371-0580
静止流体中における線状体の運動
(第2報) 線状体の落下特性に及ぼす要因の影響
堀川 明千葉 訓司西谷 憲三上島 徹
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 34 巻 6 号 p. T109-T119

詳細
抄録

目的 単繊維のもっとも簡単なモデルとして線状体を考え, 線状体が単一で水中を自由落下するときの落下特性に線状体の密度, 直径, 初期回転角および水温が及ぼす影響を計算と実験により調べた.さらに, 水中での結果と空気中での結果を比較し, 主に流体の密度の違いにより落下特性がどのように変わるかを明らかにした.成果 得られた結果はつぎのとおりである. (1) 線状体の密度, 直径および水温は, 軌跡の形, 重心の速度, 角速度に影響を与え, これらの値が大きいほど速度, 角速度は大きくなる. (2) 初期回転角ば, 落下開始直後の急激な加速領域における運動にのみ影響を与え, その後の運動は, 初期回転角に関係なく同一になる. (3) 空気中では, 姿勢が水平方向を中心に減衰振動するので, 水平方向速度は0に至る減衰振動となり, 鉛直方向速度は変動しながら一定値に近づく. (4) 計算によって得られた要因の影響は, 実験結果とかなり一致した.

著者関連情報
© 一般社団法人日本繊維機械学会
次の記事
feedback
Top