E-journal GEO
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調査報告
ラオス中部天水田農村における人口増加と世代による生業の変化
高橋 眞一横山 智西本 太丹羽 孝仁
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2023 年 18 巻 2 号 p. 264-278

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抄録

ラオス中部に位置する天水田稲作農村において,年率2%を超える長期の人口増加と村びとの生業の対応との関連を世代別に明らかにした.1920年代後半に開村した村の第1世代から第4世代まで,生業の要である水田取得が人口増加とともに開田から,相続,そして購入へと変化した.人口増加による土地の余力がなくなってきた第3世代から他の農村への移動が増加した.さらに人口増加が続いた第4世代になってタイへの出稼ぎ専業層の出現によって,人口増加による水田の不足は軽減された.この村における人口増加への対応は,農業生産性の向上,都市への移動ではなく,ラオス中部の水田拡大を背景とした農村間人口移動の加速とタイ出稼ぎの増加であった.そして近年の家族計画普及による人口増加の終焉は,この地域の農村の生業の方向を変えていくであろう.

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© 2023 公益社団法人 日本地理学会
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