正確で高精度な14C年代を求めるために,年代値の補正は不可欠な手続きである.基本的な補正項目である海水および大気のリザーバ効果,同位体選別,大気14C濃度の経年変化についての補正は14C年代測定の一部として普遍的に実施される.同位体選別の補正は,質量分析計を用いて年代測定と同時にδ13C測定を行う必要がある.これ以外の補正は既存のデータをもとにパーソナルコンピュータ用に開発されたプログラムで行うことが可能である.目的に応じた精度をもつ正確な年代を得るためには,これらの補正の内容を理解して高精度年代測定の戦略をたてることが必要である.