医療と社会
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大森 正博
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1996 年 5 巻 4 号 p. 65-84

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抄録

現在,世界の多くの国々で,医療システムとして「プライマリーケアシステム」が採用されている。しかし,そのメリットとデメリットについてはそれほど明らかにされていないように思われる。本論文では,医療サービスの持つ「情報」の性質に注目して,「プライマリーケアシステム」が実際にどのような機能を果たすのか,そのメリットとデメリットは何かについて検討する。最初に第2節では,医療サービスの情報の持つ性質について検討し,それが医療サービス市場にどのような問題を生じさせるかを考える。第3節では,「プライマリーケアシステム」の代表的な定義に触れながら,その本質的な性質を抽出する。そして,次にそのプライマリーケアシステムの本質的な性質が,医療サービスの情報の性質が医療サービス市場にもたらす問題をどのように解決するかを明らかにし,残された問題は何かについて検討する。4節では結論が述べられる。

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