2023 年 38 巻 5 号 p. 241-244
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下において,合唱活動はもっとも感染拡大リスクが高い活動とされている.歌唱中のマスク着用は有効な感染対策だが,音楽の質は低下する.2023年1月の流行期に,24人がオンステージした合唱コンサートにおいて,開催日当日に抗原定量検査で陰性を確認し,ステージ上のソーシャルディスタンスを確保しマスクなしで演奏を行った.開催1週間後にPCR検査を行い,1名のみ陽性で集団発生はなかった.潜伏期間の短いオミクロン株流行期においても,換気のよい会場の選択,体調管理,開催日当日の抗原定量検査など多角的な対策により,マスクなしでの合唱コンサートが開催できる可能性が示された.