日本環境感染学会誌
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原著論文
眼への血液・体液曝露事例の原因と対策
玉澤 佳純玉澤 かほる高橋 正美國島 広之
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キーワード: , 曝露, 血液, 体液, ゴーグル
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2011 年 26 巻 4 号 p. 222-227

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抄録

  血液・体液曝露の内,眼への曝露は,感染のリスクからは針刺し事例に匹敵することから,眼および眼周辺部への曝露に着目して,医科と歯科の統合後の当大学病院の2年半における,曝露者の職種,曝露物,曝露時の場所について検索した.
  その結果,統合後の当大学病院では,血液・体液曝露事例は,全部で67件発生していた.そのうち,眼および眼周辺部への曝露事例は41件発生したが,職種では,看護師19名,医師9名,医学生4名,助産師3名,歯科医師2名,臨床工学技士2名の順であった.曝露物では,血液14件,体液7件,喀痰4件,注射液2件等であった.曝露場所では,手術室14件,一般病室10件,ICU4件,救急部3件,人工透析室3件,分娩室2件,採血室2件,歯科外来2件等であった.特に出産関係でまとめると,6件と多かった.また,曝露事例の総数は67件であったが,その内,眼および眼周辺部への曝露事例は41件であり,全体の61.2%を占めていた.当大学病院の調査結果から,手術室での眼および眼周辺部への曝露が最も多かったことから,手術室のスタッフはゴーグルの着用が必須であることが判明した.

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© 2011 一般社団法人 日本環境感染学会
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