農作業研究
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研究論文
背負い式シェーカおよびトラクタ用シェーカによるリンゴの収穫
赤瀬 章鈴木 洋本間 英治備前 和博
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2008 年 43 巻 3 号 p. 117-125

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抄録

リンゴを背負い式シェーカおよびトラクタ用シェーカで振動収穫し,地上に置いた2.7m×2.7mのキャッチングフレーム(厚さ約10cmのウレタンフォーム)によって収果したときの収穫性能,収果性能をほ場で調べた.同時に捕集された果実の保蔵性を調べた.基礎試験として室内における引っ張り脱離試験,振動脱離試験も行った.主な結果は次の通りである.
(1) 果実を果梗に対して直角方向に引っ張ると脱離抵抗力は果梗方向のそれの約5分の1であった.そのときすべて果梗付き果となった.
(2) 室内振動試験の結果,リンゴを3秒間で落下させるには振幅1,2,3,4cmではそれぞれ振動数6.7,5.0,3.3,3.3Hz以上が必要であった.
(3) クランプより枝先にある果実の落下率はほぼ90%であった.落下果実のキャッチングフレームによる回収率は100%に近かった.
(4) 枝に加えられた振幅は,背負い式シェーカでは1.4-3.3cm, トラクタ用シェーカでは3.8-3.9cmであった.
(5) シェーカによる果実の損傷は打ち傷,切り傷,刺し傷であった.保蔵後2.5か月で,外皮に損傷のない果実が60%あった.
(6) 果実を高さ2mからウレタンフォーム上に落下させたところ,厚さ10cmでは損傷はなかった.

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© 2008 日本農作業学会
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