日本外科系連合学会誌
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胃癌肝転移再発に対する免疫賦活療法併用凍結治療の有用性
多発性転移2例の報告
長田 真二八幡 和憲棚橋 利行奥村 直樹坂下 文夫田中 千弘松井 康司高橋 孝夫長尾 成敏山口 和也杉山 保幸
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2005 年 30 巻 2 号 p. 203-209

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抄録

Polysaccharide-Kureha投与と局麻下穿刺式凍結治療 (PCS) を併用した胃癌両葉多発肝転移2症例の経過概要を報告する。症例1は63歳, 男性。2年前に胃全摘術 (H1, P0, t2, n2, stageIV) を施行し, 術後より全身化学療法を行い一旦は軽快したが再び肝腫瘍およびリンパ節の増大を認めた。週1回のペースでPCSの反復治療をしたところ, 血清amyloid A (AA) 値が847μg/mlまで上昇し, Th1/Th2バランスは4回目治療後の33%を最高値として以降高値を保った。腹部CTにて肝腫瘍とリンパ節の明らかな縮小を認めた。症例2は59歳, 男性。膵体尾脾合併胃全摘術を施行 (H0, P0, t2, n2, stageIIIA) 後, 3カ月目に多発肝腫瘍を認めた。PCSを3回施行し治療部腫瘍の壊死となったため, 現在経過観察中である。血清AA値は上昇しTh1/Th2バランスは高値で維持されている。

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