日本外科系連合学会誌
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消化器外科手術後創傷管理法の検討 ハイドロコロイドドレッシングと半閉鎖式ドレーン管理法の有用性
佐々木 一晃高坂 一吉川 智道川崎 浩之桐山 賢二稲福 慶子大野 敬祐大野 敬西川 紀子平田 公一
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2004 年 29 巻 2 号 p. 209-213

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抄録

消化器外科手術創の管理法をハイドロコロイド材および半閉鎖式ドレーンを用いた管理法と従来の滅菌ガーゼを用いた管理法をretrospectiveな手法で比較検討した。対象は消化器手術症例で, 創をハイドロコロイド材覆いドレーンを半閉鎖式に管理した群 (治療群 : 145例) と滅菌ガーゼで管理した群 (対照群 : 286例) の2群を設定した。その結果, 手術部位感染 (SSI) は治療群で4.1%, 対照群のそれは5.6%と両群間に差を認めなかった。創被覆材の交換回数は治療群で少なく, 材料費は治療群で低額であった。消化器手術後では, 従来の滅菌ガーゼを用いた管理法に比較して, ハイドロコロイド材と半閉鎖式ドレーン管理法によりSSIの頻度を増すことなく, 労力や医療材料費を軽減できる可能性が示された。

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