日本外科系連合学会誌
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大腸他臓器重複癌手術例の検討
田中屋 宏爾小長 英二竹内 仁司
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2000 年 25 巻 2 号 p. 161-165

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抄録

当科における大腸癌手術例を対象に他臓器重複癌例 (重複群) を非重複癌例 (非重複群) と比較検討した。全566例中, 重複群は50例 (8.8%) であった。2臓器重複43例, 3臓器重複7例で, 他臓器に58病変を認めた。他臓器癌は, 男性では胃 (12例), 喉頭 (4例) に, 女性では子宮 (13例), 胃 (9例), 乳房 (5例) に多かった。異時性重複癌の発生間隔は平均8.1年であった。重複群は女性に多く, 右側大腸癌や大腸多発癌の発生率が高い傾向を示したが, 有意差は認めなかった。癌家族歴陽性率は重複群52.0%, 非重複群25.4%, 遺伝性非ポリポーシス大腸癌症例の割合は重複群14.0%, 非重複群3.5%で, いずれも重複群が有意に高かった。癌家族歴陽性例や遺伝性非ポリポーシス大腸癌症例は大腸他臓器重複癌の危険性が高く, 男性は胃, 喉頭, 女性は子宮, 胃, 乳房を中心に長期間の経過観察が必要と考えられた。

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