日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
鼠径ヘルニアの自己整復によって空腸穿孔をきたした1例
稲葉 毅山崎 江里子岩崎 晃太福島 亮治冲永 功太
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 33 巻 2 号 p. 223-226

詳細
抄録

 症例は58歳,男性。右鼠径ヘルニアの自己徒手整復時に腹痛が出現,他院で消化管穿孔と診断され,当科に転送された。入院当日緊急手術を施行し,空腸穿孔を認めたが,穿孔部周囲に虚血性の変化はなく,自己徒手整復時の損傷による小腸穿孔と診断した。穿孔部閉鎖と腹腔洗浄ドレナージを施行したが,腸管の浮腫膨隆のため閉腹不能であった。滅菌シートを開腹創に縫着し,入院第5病日にあらためて閉腹術を施行した。さらに第31病日に鼠径ヘルニア根治術を施行し,第43病日に退院した。

著者関連情報
© 2008 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top