色材協会誌
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ルチル型チタニア微粒子の光触媒活性におよぼすシリカ被覆処理の影響
多田 弘明斉藤 靖弘宮田 邦夫河原 秀夫
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1989 年 62 巻 7 号 p. 399-403

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抄録

ルチル形チタニア微粒子 (TOP (R)) の光触媒活性を低下させることを目的として, 2種類の方法でシリカ被覆を試みた。1つは, ケイ酸ナトリウム水溶液からの析出反応を用いる従来法であり, 他の1つは, ヶイフッ化水素酸水溶液からの析出反応を利用した液相成膜 (LPD) 法である。TOP (R)) の光触媒活性の評価には, 硝酸銀を含む懸濁液への光照射によりTOP (R) 上に析出した単位表面積当りの銀の重量 (z値) を用いた。
その結果, LPD法でシリカ被覆処理したTOP (R) のz値は, 従来法で処理したものの約1/10であることが明らかとなった。
透過型電子顕微鏡写真とX線光電子分光法による分析結果は, 従来法よりもLPD法による方がシリカ被覆膜は均一であり, また, ち密な構造をしていることを示唆しており, このために優れた光触媒活性抑制効果を発現するものと考えられた。

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