ポリピロール,ポリアニリン,ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などの導電性高分子は,電解コンデンサー,電池電極,さび止め剤,帯電防止剤などに用いられ,電気を流す高分子としてその応用は多岐にわたっている。導電性高分子は,一般的に溶剤に不溶で,熱を加えても融解しない性質を有し,加工性およびハンドリング性が低いという問題がある。このような背景を受け,導電性高分子のハンドリング性向上,新しい用途開発を目的とし,1990年代から導電性高分子の微粒子形態での合成,およびその応用研究に関する研究が始まっている。本解説では,化学酸化重合を利用する導電性高分子ベースの微粒子の合成に関する研究について,最近の研究を含めて紹介する。