色材協会誌
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研究論文
有田焼用の新規な鉛フリーCeO2-ZrO2-Bi2O3黄色顔料
増井 敏行白石 敦則古川 慎也温 都蘇布谷 直義今中 信人
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2012 年 85 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

クエン酸錯体法により,CeO2-ZrO2-Bi2O3黄色顔料を合成し,その色彩を調べることにより優環境型の無機顔料としての適正を評価した。CeO2-ZrO2-Bi2O3黄色顔料は500 nmより短い波長の光を強く吸収し,結果として鮮やかな黄色を呈した。最も色鮮やかな黄色はCe0.43Zr0.37Bi0.20O1.90の組成で得られ,CIE L*a*b*表色系における黄色度(b*)は市販のプラセオジム黄顔料(ZrSiO4:Pr)と同等であった。このCe0.43Zr0.37Bi0.20O1.90黄色顔料を陶磁器用の絵の具に用いたところ,有田焼の伝統色の一つであるが鉛やアンチモンを含む「中黄」を,有害元素を含まずに忠実に再現できることがわかった。

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© 2012 一般社団法人 色材協会
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