2010 年 84 巻 1 号 p. 18-23
われわれが開発したスラブ光導波路(slab optical waveguide:SOWG)分光法は界面に選択的かつ高感度であるため,単分子層に満たない量だけ吸着している分子の紫外から可視域の吸収スペクトルのその場観察を行うことができる。従来からSOWG分光法を用いて固液界面におけるタンパク質の吸着過程や吸着後の機能のその場観察を行ってきた。本稿ではチトクロームcを試料として用い,ガラス上への吸着過程,ITO電極上での電子移動反応,およびガラス上での還元反応をその場観察した結果を報告する。