日本透析療法学会雑誌
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糖尿病性腎不全における長期透析例の病態
宮本 孝後藤 武男申 曽洙岩崎 卓夫金津 和郎内田 誉坂井 瑠実松本 真一郎福原 公三木 章三遠藤 博井上 聖士藤田 嘉一原 信二
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1989 年 22 巻 6 号 p. 627-631

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抄録

兵庫県下の10透析施設において, 5年以上の長期透析を受けている糖尿病性腎不全患者18例 (男10例, 女8例, 平均年齢59.2歳) について, アンケートにより, その病態像を探索した. 全例血液透析を受けていて, IDDMは6例であった. 透析間における体重増加は3Kg以内, CTRは平均53%で血圧もほぼ正常にコントロールされており, 循環器系の管理は糖尿病患者としては良好であった. また, 血糖及びHbA1cも比較的良好なコントロール下にあった. 中性脂肪, コレステロール値は正常域にあり, HDLコレステロールは33.5mg/dlと, やや低下傾向を示すも, 異常低値ではなかった. 18例中10例は視力保持が認められた. また, PTHは4.4ng/mlと比較的低値を示すが, 腎性骨異栄養症は9例に認められた.

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© 社団法人 日本透析医学会
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