2001 年 34 巻 9 号 p. 1257-1286
血液透析に関連する医療事故を全国規模で調査した結果, 平成12年1年間に21,457件の事故が報告され, 事故頻度は100万透析当たり1,760回であった. 生命を脅かしたり, 入院を要する, あるいは二人以上の患者に集団発生した重篤な事故頻度は100万透析当たり31回で, 過去5年間に13例が院内感染以外の透析医療事故に関連して死亡したと推定された. こうした医療事故を防止するために 「透析医療事故防止のための標準的透析操作マニュアル」 を作成し, さらにその普及をはかる上での医療器材の問題点解決策の実施を関連業界団体に申し入れた.