日本森林学会誌
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短報
人工飼料によるコウモリガ幼虫の飼育
北島 博菅 栄子槙原 寛
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2006 年 88 巻 3 号 p. 192-196

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抄録

コウモリガ幼虫を市販の蚕用人工飼料を用いて, 25℃の長日区 (LD16 : 8) と短日区 (LD10 : 14) で220日間飼育した。蛹化率は長日区 (37.6%) の方が短日区 (13.6%) より有意に高かった。長日区では雌雄とも蛹化したが, 短日区では雄の蛹化だけがみられた。羽化率は長日区 (25.6%) の方が短日区 (12.8%) より有意に高かった。長日区の雄, 雌, および短日区の雄における平均幼虫期間は, それぞれ158.6日, 159.7日, および151.6日間, 平均蛹期間はそれぞれ23.9日, 22.6日, および22.5日間であった。以上より, 本種幼虫を蚕用人工飼料を用いて飼育できること, 本種幼虫の蛹化には日長条件が密接に関係しており, 蛹化率を高めるには25℃の場合長日の方が短日より望ましいことが明らかとなった。

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© 2006 一般社団法人 日本森林学会
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