廃棄物資源循環学会誌
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特集:プラスチックやごみ排出をとりまく最新動向
「捨てない」暮らしへのチャレンジ : Loopについて
鈴木 隆博
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2023 年 34 巻 5 号 p. 342-346

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抄録

イオングループ (イオン) が地域に根差した小売業としてお客さまとともに長年取り組んできた,「買物袋持参運動」や店頭での資源回収は,身近な環境保全活動として広く定着している。地域のお客さまとともに新しいライフスタイルを構築することは,お客さまとのタッチポイントをもつ小売業の強みであり使命でもあると認識している。

 2021年5月より,使い捨てプラスチックのさらなる削減を目指し,繰り返し使えるリユース容器を利用した新たな循環型ショッピングプラットフォーム「Loop」に参画している。Loop は,全体を管理・運営している Loop Japan (同),耐久性のある容器を開発し商品の充填・再充填を行うメーカー,販売や容器回収の受け付けを行う小売が連携して行う取り組みであり,2023年3月現在,イオンでの取扱商品は,メーカー11社18品目となり,12都府県・100店舗で展開している。2021年5月~2023年6月の期間で集計したところ,削減したプラスチックの量は 2,247 kg であった。

 現時点では,プラスチック削減への寄与度は限定的である一方,新しい買い物スタイルへのチャレンジということで,社会的な関心は非常に高い。

 事業規模の拡大による回収・洗浄拠点増による効率化,容器回収率の向上等,本取り組みで明らかになった課題をクリアし,「捨てない」ライフスタイルを支える仕組みとして,社会実装を目指していく。

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© © 2023 一般社団法人 廃棄物資源循環学会

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