廃棄物学会論文誌
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論文
アンケート調査による都市近郊農家の堆肥選択要因の解析
谷川 昇古市 徹東海 明宏石井 一英太田 陽子
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2006 年 17 巻 2 号 p. 153-161

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抄録

札幌市の農家を対象としてアンケート調査を実施し, 農家の堆肥利用と堆肥への認識を明らかにして都市近郊農家の堆肥選択要因を解析するとともに, 農家に受け入れられる需要重視の堆肥化促進方策を検討した。
札幌市の農家では, 現在堆肥を利用している農家の割合は約53%であり, 化学肥料を併用しながら作物の収穫量の増加と品質向上を目指して, 多くは外部で製造された家畜ふん尿を主原料とした堆肥を多少の重労働を覚悟して利用していることがわかった。農家が化学肥料を利用して堆肥を利用しない第一の理由は堆肥原料への不安, 第二の理由は堆肥利用に伴う労力, 第三の理由は堆肥利用効果の不明瞭さであると考えられた。また, 堆肥を将来利用しようとする場合には, 農家は, 家畜ふん尿のように信頼できる原料から他の人が製造した堆肥を極力労力をかけずに安価で利用したい意向を持っていることを明らかにした。これらのアンケート結果から, 農家に受け入れられる需要重視の堆肥利用の促進を図るためには, 主原料として家畜ふん尿の使用, 畜産農家がオンサイトで堆肥製造し耕種農家が利用するシステムの整備, 堆肥利用中農家と堆肥未利用農家の連携による堆肥利用ノウハウ等の堆肥情報の共有化が重要であることを示した。

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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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