2005 年 16 巻 6 号 p. 481-491
真空加熱分離法によるPCB使用電気機器からのPCB分離実験をパイロットスケールの実験プラントを使用して実施し, 処理温度および処理時間がPCB分離処理の性能に及ぼす影響について検討した。試料には実際のPCB廃棄物で低濃度PCB汚染物であるワニス含浸柱上トランスおよび高濃度PCB汚染物である高圧トランスおよびコンデンサを使用した。処理圧力は100Paに固定し, 処理温度を200~400℃, 処理時間を1~3時間で変化させて実験を行った。その結果, ワニス含浸柱上トランスは, 処理温度300℃, 処理時間1時間が最適な処理条件であると考えられた。一方, 高圧トランスおよびコンデンサは, 処理温度400℃, 処理時間1時間が最適な処理条件であると考えられた。