廃棄物資源循環学会論文誌
Online ISSN : 1883-5899
Print ISSN : 1883-5856
ISSN-L : 1883-5856
論文
デポジット制度を伴うリサイクル制度において消費者の知識が製品属性評価に与える影響
――テレビについてのケーススタディ――
増田 明之松本 凱斗村上 進亮
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 30 巻 p. 132-143

詳細
抄録

消費者の制度理解の向上のみに依存して適正廃棄行動を促進することには限界がある。たとえば 2001 年から施行されている家電リサイクル法では,使用済み製品の回収率向上は依然として課題である。使用済み製品の回収促進策としてはデポジット制度の導入も考えられるが,預り金の支払いによる製品需要の低下も懸念される。そこで本論は家電リサイクル制度におけるデポジット制度を例にとり,制度に関する情報提示とコストの負担感の軽減の関係について分析した。本論では現行の家電リサイクル法におけるデポジット制度の概形を提示し,行為目標の同定の観点から消費者の製品属性に対する評価への介入モデルの設計を行った。負担感の推定にはコンジョイント分析を用い,テレビを例としてモデルの有効性を検証した。分析結果から預り金の支払いは消費者にとって負担として認識されていること,また同定の操作は負担感の軽減に有効であることが示唆された。

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
前の記事 次の記事
feedback
Top