2008 年 32 巻 4 号 p. 239-246
現在,ヒューマノイドのエネルギ効率や環境適応性の改善を目的として,受動歩行の応用が注目されており,その安定化手法についてさまざまな検討が行なわれている.その多くは二次元簡略化モデルを用いたものであり,安定化理論については未だ確立されていないのが現状である.その一方で,現実的な歩行動作は三次元的に発現しており,モデルの簡略化が安定化の検討の妨げになっている可能性がある.本報では,ヒトの歩行解析結果を基に三次元歩行が可能な二足受動歩行ロボットを設計・製作し,その安定化手法について実験的に検討した.その結果,歩行路の斜度が変化しても安定な受動歩行が実現可能であることを示した.