バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
感覚運動学習から高次認知機能へ : 「回転マウス」を使った行動実験・脳機能計測実験(<特集>運動学習)
今水 寛
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2001 年 25 巻 4 号 p. 152-160

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抄録

人間は目や耳を通して外部世界から情報を得て,適切な情報処理を行い,外部世界の対象物に働きかけている.言語や思考など,人間に特有と考えられている高度な脳機能や知性は,氷山の一角で,海面下でそれらを支えているのは,他の動物にも遍く備わる感覚情報処理機能や運動制御機能である.特に感覚と運動を統合する機能は重要であると考えられる.筆者らは,コンピュータ7ウスと対応するカーソルの間に回転変換を入れて,わざと使いにくくしたマウス(回転マウス)の操作を,被験者がどのように学習するかを詳細に調べた.その結果は,感覚運動統合を学習する脳の仕組みと,感覚運動統合を基礎とした高次認知機能を解明する糸口となった.

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© 2001 バイオメカニズム学会
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