バイオメカニズム
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1部 身体計測・評価
大腿二頭筋長頭と腓腹筋のレバーアーム特性が膝関節屈伸運動へ与える影響
金 承革田中 克己竹島 治生土持 宏之柴田 昌和
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2018 年 24 巻 p. 37-45

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抄録

Lombardが提起した二関節筋の働きを確かめる目的で, 大腿二頭筋長頭と腓腹筋のレバーアーム長を1体の遺体を対象にして調査した. 大腿二頭筋長頭のレバーアーム長は, 股・膝関節での角度が変化しても, 常に股側で膝側よりも大きく, 股関節屈曲角度が増大するにつれて増大した. 腓腹筋のレバーアーム長は, 膝・足関節角度が変化しても, 常に足側で膝側よりも大きく, 足底屈角度が増大するにつれて増大した. 遺体の下肢骨形状を抽出し, 縮尺版の木製脚伸展模型を作製し, 大腿二頭筋長頭および腓腹筋を模したゴムを装着し, 脚伸展が生じるか否かを確かめた. 大腿二頭筋長頭のゴム, 腓腹筋のゴムのいずれも, 脚伸展を生じた. 腓腹筋のゴムの方で膝伸展角速度が大きかった. 大腿二頭筋長頭と腓腹筋は, 足が固定される立位では, 脚伸展に作用することが示唆された. 腓腹筋の膝伸展作用は, 木製脚伸展モデルの膝関節角速度のデータから, 強力であろうと推測される.

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© 2018 バイオメカニズム学会
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