日本耳鼻咽喉科学会会報
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当科で独自に考案した永久気管孔用ストレートカニューレの使用経験
中村 一博吉田 知之鈴木 伸弘渡嘉敷 亮二鈴木 衛
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2005 年 108 巻 12 号 p. 1165-1170

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抄録

頭頸部癌症例では喉頭摘出術後の永久気管孔が縮小し気管孔開大術または気管カニューレ装着が必要となることも少なくない. しかし永久気管孔にカニユーレを使用する際, 汎用気管切開用カニューレでは不都合が生じることも多い.
今回われわれは汎用永久気管孔用ストレートカニューレを開発し, 14症例の頭頸部癌術後症例に使用し良好な結果を得たので報告する.
汎用気管切開用カニューレは彎曲が強く, 永久気管孔に使用すると前壁に刺激を与え肉芽形成をきたすことがあった. そのため気管の矢状断CTを撮影し胸壁と気管前壁の角度を測定し, 設計した. 自己装着管理が容易となるように従来のものより軟らかいシリコン素材を用いた. やや太めとすることにより紐固定を不要とした.
装着した全例でカニューレは良好に適合し呼吸苦は改善した.
永久気管孔には従来の汎用気管切開用カニューレが適合しにくいこともある. そのような際にわれわれの考案した汎用永久気管孔用ストレートカニューレが有用であることが示唆された.

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