日本耳鼻咽喉科学会会報
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当科における甲状腺超音波ガイド下吸引細胞診の検討
手術適応決定における有用性と限界
加藤 昭彦山田 弘之山田 哲生石永 一
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1997 年 100 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

当科において超音波ガイド下吸引細胞診 (FNA) を施行し, 手術により組織学的に確認された甲状腺腫瘍333症例につき検討を行った. 正診率は92.4%, 特異性は100%, 感受性は88.3%であった. またFNA陽性例のうち2回目以降に陽性となった症例が24例 (12.8%) あり, 反復穿刺が重要であると思われた. FNAを手術適応の決定に際し重視することで, 甲状腺手術例における悪性腫瘍の割合が増加し, 不要不急の手術を減少させることが可能になるものと考えられる. 一方, 超音波ガイド下にFNAを行うことで, FNAの診断精度を上げる努力をするとともに, 偽陰性例を見逃さないような総合診断を心がけるべきであると思われた.

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