日本臨床外科医会雑誌
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69 骨折846例の統計的觀察
増戸 武夫濱田 光志
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1941 年 5 巻 10 号 p. 715-725

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抄録

骨折は外科臨牀上重要な疾患なるにも拘らず本邦に於ては種々の事情或は習慣から依然として一般外科に疎遠な傾向がある.この傾向を打破するためには一般外科醫が關心を拂ひ本症に精通せねばならぬ.本症診斷の精疎從て療法の巧拙は其の豫後に大なる影響があゆ, 吾々も日常本症を診療してゐるが治療困難な症例に遭遇することも勘くない, 友一方近年欧米に於ては其の治庫に關し飛躍的進歩を途げつつあり, 本邦外科のこの方面に於ける樹ほ一暦の努力と進歩が期待される.是余等が茲に最近診療した骨折例に就き統計的觀察を企園し些少の知見を加へんとした所以である.
本邦に於ける骨折多數例め統計的觀察に就ては金子氏以來時々發表を見るが未だ多くはない.本症の統計は諸家に指摘されし如く塔年代, 殊に交通産業發達の變遷文は病院の所在, 性質等に依り相當著明な差異があり, 本症の至貌を知るためには各方面の資料を参照せねばならぬが, 簡潔を期するため最近の文獻であり且比較的類似の條件を有する加藤氏, 尾崎氏の統計を參考とすることにした.

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