日本臨床外科学会雑誌
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症例
直腸癌孤立性膣転移の1例
渡邊 勇人佐伯 博行松川 博史永田 智子利野 靖益田 宗孝
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キーワード: 直腸癌, 孤立性膣転移
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2018 年 79 巻 9 号 p. 1911-1915

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抄録

症例は62歳,女性.201X年,直腸癌(Rb)に対して腹腔鏡下低位前方切除,D3郭清(両側側方郭清),一時的回腸人工肛門造設術を施行.病理診断はRb,type2,53×53mm,tub1>tub2,pT3,INFb,ly0,v2,pN1(1/33),pPM0,pDM0,pRM0 pStageIIIa.術後3カ月,不正性器出血を主訴に当院を受診.膣入口部より15mmの左壁に15mm大の腫瘤を認め,生検で直腸癌膣転移の診断となった.MRI(T2W1)にて高信号を呈する7mm大の結節を認め,PET-CTで膣以外への転移・再発は認められなかったため,経膣的膣壁腫瘍摘出を施行.病理組織学的に粘膜固有層内に高分化腺癌像を認め,直腸癌膣転移に矛盾しない所見であった.術後補助化学療法としてUFT/LVを5コース内服し,現在術後1年無再発生存中である.直腸癌の膣転移は稀であるため,文献的考察を加えて報告する.

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© 2018 日本臨床外科学会
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