日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に診断と治療を行った上行結腸間膜裂孔ヘルニアの1例
山崎 洋一今村 博福久 はるひ上木原 貴仁加藤 健司夏越 祥次
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2017 年 78 巻 10 号 p. 2266-2269

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抄録

症例は74歳の女性で,前日の夕食後より出現した腹痛と嘔気を主訴に当院へ救急搬送された.CTで右側腹部の小腸が球状にclosed-loopを形成しており, 内ヘルニアによる絞扼性イレウスの診断で腹腔鏡下に緊急手術を行った.腹腔内を観察すると,上行結腸間膜に約3cmの欠損を認めた.手術時腸管の陥入は認めなかったが,Treitz靱帯から約100cmの小腸が30cmにわたり鬱血しており,上行結腸間膜裂孔ヘルニアと診断した.小腸に虚血性変化は認めず,腹腔鏡下にヘルニア門を縫合閉鎖した.内ヘルニアのなかでも非常に稀な上行結腸間膜裂孔ヘルニアに対し腹腔鏡下に手術した1例を経験したので報告する.

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© 2017 日本臨床外科学会
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