日本臨床外科学会雑誌
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症例
内視鏡的破砕後に腸閉塞を発症した胃石の1例
松本 元藤原 澄夫山下 修一
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キーワード: 胃石, 破砕, 腸閉塞
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2010 年 71 巻 7 号 p. 1759-1763

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抄録

上部消化管内視鏡検査の進歩もあり,近年胃石症例の報告は増加しつつある.腸閉塞などにより手術的治療を要する場合もあるが,内視鏡的に破砕することにより治療に成功したとの報告も多くみられる.今回われわれは胃石を内視鏡的に破砕後,その破片が原因となり腸閉塞を来たし手術を施行した稀な症例を経験した.
症例は93歳女性.心窩部不快感などを主訴に受診.精査の結果,十二指腸下行脚に5cm大の結石を認めた.内視鏡的に破砕した27日後にイレウスを発症したため,結石が嵌頓した部を含め小腸部分切除術を行った.胃石破砕後にその破片が原因となり腸閉塞を発症することもあり,破砕後も厳重な経過観察が必要であると考えられた.

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© 2010 日本臨床外科学会
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