日本臨床外科学会雑誌
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綜説
女性外科医が長く仕事を続けるためには何が必要か
河野 恵美子山崎 芳郎別府 曜子赤丸 祐介板野 秀樹森本 芳和藤井 眞弓場 健義大野 喜代志
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2009 年 70 巻 10 号 p. 2929-2934

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抄録

女性外科医を取り巻く環境は厳しく,急性期病院での子育て女性外科医の常勤勤務医はほとんどいない.しかし,新卒医師における女性の割合は年々増加しており,外科においても対策を講じていくことは急務である.大阪厚生年金病院では2004年より子育て支援制度を導入しており,産休・育休制度の確立,時間外勤務時間への配慮,院内保育や病児保育の設置などの整備がなされている.2005年以降はワーク・ライフ・バランスの導入に取り組み,職場全体の環境整備がなされている.筆者は子供が1歳になった2007年7月から子育て外科医として勤務を開始し,現在1年半が経過した.上記経験より,女性外科医の力を活かすためには,男性外科医を含めた外科全体の環境改善が必要であり,ワーク・ライフ・バランスに基づいたチーム医療制度の導入など時代背景に基づいた改革が必要であると考える.

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