日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下胆嚢摘出後に複数のポート部位再発をきたした胆嚢癌の1例
篠原 永光河崎 秀樹鷹村 和人大谷 広美
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2008 年 69 巻 8 号 p. 2088-2092

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抄録

腹腔鏡下胆嚢摘出術(laparoscopic cholecystectomy:以下,LC)後に胆嚢癌と診断され複数のポート部位再発を認めた1例を経験した.症例は60歳,男性.胆石症に対しLC施行,術後にss胆嚢癌と診断され,追加切除を施行した.経過観察中に腹部CTで臍部と右鎖骨中線上のポート挿入部に腹壁腫瘤を指摘され細胞診で腺癌細胞を認めたためポートサイト再発と診断した.他に再発を認めなかったため,追加切除後約1年2カ月で腫瘤摘出術を施行した.術中新たに確認した前腋窩線上のポート挿入部を含めて3病変ともに皮膚から腹膜まで全層を切除した.病理学的には3病変ともに癌部は壁側腹膜面に露出しておらず腹膜外での発育形態であった.自験例では腹膜播種所見もなく局所再発であり根治手術と考えられた.

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© 2008 日本臨床外科学会
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