日本臨床外科学会雑誌
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胆嚢癌を合併した孤立性肝膿瘍の2例
安藤 勤高井 茂治高木 敏秀
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キーワード: 肝膿瘍, 胆嚢癌, 手術療法
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2001 年 62 巻 5 号 p. 1252-1256

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抄録

胆嚢と肝膿瘍が連続しない孤立性肝膿瘍に合併する胆嚢癌の報告は比較的稀である.今回われわれは孤立性肝膿瘍に合併する胆嚢癌の2例を経験したので報告した.症例1: 78歳男性,右季肋部痛で来院した.慢性胆嚢炎と孤立性多発性肝膿瘍と診断し,肝膿瘍開窓ドレナージ術と胆嚢摘除術を行った.摘出胆嚢の組織診断でss胆嚢癌であった.症例2: 70歳女性,心窩部痛で来院した.総胆管結石に合併する急性胆嚢炎と孤立性肝膿瘍と診断し,肝膿瘍開窓ドレナージ術と総胆管切開採石術,胆嚢摘除術を行った.組織診断で早期胆嚢癌を認めた.自験例2例を含めた本邦報告例6例中術前に胆嚢癌の診断が確定した症例は2例のみであった.胆嚢癌においてはその進展形式によって切除術式が決定されることを考慮すると,化膿性胆管炎に伴う細菌性肝膿瘍においては,胆嚢癌の合併を念頭に置き慎重な対応が必要と考えられた.

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