2021 年 28 巻 2 号 p. 110-113
患者搬送固定翼機(メディカルジェット)による補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA®)装着下転院搬送を行った。症例は12歳女児で,急性心不全の加療目的に約300 km遠方の病院から回転翼機で当院に搬送された。拡張型心筋症の診断で治療を行ったが,転院から約1か月後に心原性ショックに陥り,IMPELLA®を装着した。1,000 km離れた小児心臓移植施設への転院のためメディカルジェットの使用を決定した。機材の一体化・超音波検査装置の携行・場面別シミュレーションにより搬送中のカテーテルの位置変動リスクを低減し,合併症なく搬送を完遂した。非医療職を含めたスタッフの普段からの搬送業務への関与が,メディカルジェットの円滑な運用に寄与したと考えられた。