日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
肥満低換気症候群の急性呼吸不全に対する非侵襲的陽圧換気法の経験
西田 賀津子高石 和
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2009 年 16 巻 4 号 p. 477-480

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抄録

2000年から2004年までの5年間に,肥満低換気症候群(obesity hypoventilation syndrome, OHS)の呼吸管理を4例行った。【症例】2例は,非侵襲的陽圧換気法(noninvasive positive pressure ventilation, NPPV)で対応可能であった。低酸素による肝腎機能障害を合併していたが,酸素化改善とともに回復した。あとの2例は気管挿管下侵襲的陽圧換気法(invasive positive pressure ventilation, IPPV)を併用した。IPPV離脱後NPPVで呼吸補助を行い,人工呼吸管理より離脱することが可能となった。【結語】OHSの急性呼吸不全に対してNPPVで管理することは可能であり,積極的に試みる価値がある。呼吸器離脱後の呼吸補助法としてNPPVを積極的に取り入れることで,再挿管を回避できる可能性がある。

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© 2009 日本集中治療医学会
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