日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
糞石腸閉塞を合併した巨大S状結腸憩室の1例
関岡 敏夫齊藤 昌彦田中 俊樹平田 邦明竹田 彬一宮阪 英野木 真将並里 大梶原 正章仲井 理山田 拓司
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2011 年 64 巻 3 号 p. 185-192

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抄録

患者は73歳女性.2009年6月下腹部疝痛,便秘があり注腸透視を施行した.S状結腸に径3cm長さ4cmの巨大憩室を認めた.2010年1月より下腹部痛,排便困難があり大腸内視鏡検査を予定した.検査当日洗腸剤1L飲用後,腹部全体の疝痛と嘔吐を認めた.腹部は著明に膨満していた.緊急CTで大腸腸閉塞と診断した.左下腹部には7カ月前と同じ大きさの巨大S状結腸憩室を認めた.そのすぐ肛門側には4cm大の巨大糞石を認めた.同日大腸内視鏡検査を施行した.S状結腸には管腔全体を占める巨大糞石が嵌頓していた.内視鏡的に糞石を摘除した.18日後腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した.切除標本の病理検査で巨大憩室壁は固有筋層を欠き膠原線維から成っていた.巨大大腸憩室で形成された糞石により腸閉塞を来した1例を経験したので報告する.

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© 2011 日本大腸肛門病学会

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