日本大腸肛門病学会雑誌
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直腸癌術後に発症した原発生小腸癌の1例
軽部 秀明増田 英樹石井 敬基青木 信彦中山 壽之重松 千普小村 憲一御田 さとみ逸見 明博高山 忠利
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2003 年 56 巻 3 号 p. 114-117

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抄録

大腸癌の異時性他臓器重複癌の中で,小腸癌との組み合わせは極めて稀である.今回,直腸癌治癒切除術後の原発性小腸癌の1例を経験したので報告する.症例は70歳,女性,平成11年4月,直腸癌にて腹会陰式直腸切断術を施行した(高分化腺癌,a1,n0,stageII).平成12年末より鉄欠乏性貧血を認め,上部と下部消化管内視鏡検査を施行したが異常を認めず,その後の経過観察中も貧血を繰り返すため小腸造影を施行した.小腸に腫瘤像を認め,小腸腫瘍も考慮し平成13年3月,小腸部分切除術を施行した.中分化腺癌,seの原発性小腸癌であった.直腸癌術後の異時性小腸癌は,われわれが検索した限り極めて稀であった.癌の手術の既往のある患者において,持続する貧血に対し,小腸腫瘍も考慮し小腸造影を含め精査が必要であると考えられた.

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