日本大腸肛門病学会雑誌
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結腸癌における,リンパ節転移のGradingに関する検討
TNM分類と大腸癌取扱い規約との比較
香山 浩司太田 博俊上野 雅資関 誠畦倉 薫高橋 孝加藤 洋柳沢 昭夫
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1998 年 51 巻 2 号 p. 57-64

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抄録

リンパ節の転移程度と所属リンパ節の分類の妥当性にっき,TNM分類と大腸癌取扱い規約を比較検討した.対象は1974年から1988年までに癌研外科において根治手術が行われ,リンパ節転移陽性であった結腸癌162例である.TNM分類,大腸癌取扱い規約ともに,nlとn2,n3群との累積5年生存率(以下,累積5生率)の間には有意差があり,リンパ節の転移程度はいずれも予後を反映していた。また所属リンパ節の分類法は,転移個数を基にしたTNM分類より解剖学的な拡がりを基にした大腸癌取り扱い規約の方が,転移率の分布が妥当で(TNM:n1=14.4%,n2=2.5%,n3=7.9%,規約:n1=15.9%,n2=7.4%,n3=1.4%),累積5生率の開きも適当であった.(TNM:n1-86.0%,n2=68.8%,n3=64.7%,規約:n1=84.5%,n2=66.7%,n3;55.6%)

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