日本大腸肛門病学会雑誌
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クローン病の外科的治療
われわれの経験と最近の動向
武藤 徹一郎上谷 潤二郎杉原 健一久保田 芳郎安達 実樹阿川 千一郎斉藤 幸夫森岡 恭彦沢田 俊夫小西 富夫
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1983 年 36 巻 5 号 p. 492-499

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抄録

教室におけるCrohn病17例の経験を報告し,最近の外科的治療方針の動向について文献的考察を行った.手術は9例に行われ,残る8例はいずれも経静脈栄養によって管理することができた.9例中6例には吻合術が可能であった,痔瘻は8例に合併していたが,7例は通常痔瘻と性状が変わらず,lay openにて治癒した.
欧米ではCrohn病に対する外科的治療として,小範囲切除を行う一派と広範囲切除を行う一派とがあり,主として前者には英米の専門家が,後者にはスカンジナビア,ドイツの専門家が属している.広範囲切除派は術中の凍結切片標本の検索により,病変の取り残しを防ぐことを主張している.これら欧米のCrohn病に対する外科治療方針の現況を紹介し,われわれの方針についても述べた.

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