てんかん研究
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原著
てんかんに伴う精神症状の解釈―ネオジャクソニズム(Ey)からの一考察―
須江 洋成岩崎 弘小高 文聰岡部 究中山 和彦
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2017 年 34 巻 3 号 p. 603-609

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抄録

てんかんに関連して幻覚妄想等の精神症状を認めた3症例(発作後精神病、交代性精神病、慢性てんかん精神病)について、ネオジャクソニズム(Ey)をもとに解釈をこころみた。てんかん発症と精神症状の発現の間には一般に10年以上の潜伏期間があるとされるが、これは発作によりくり返される一過性の解体が徐々に高次機能に微細な影響を与え、脆弱性にいたらしめる準備期間と解釈した。そして、この脆弱性を基盤としてより深い解体を生じると下位機能が解放されてダイナミズムが発せられると考えた。その後に意識することのゆがみ、病的反応として精神(陽性)症状が発現したと解釈される。

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© 2017 日本てんかん学会
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