てんかん研究
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症例報告
Negative myoclonusを合併したてんかん患児における123I-Iomazenil SPECT所見
二階堂 弘輝寺田 清人下村 次郎田中 正樹中村 文裕松田 一己井上 有史藤原 建樹
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2009 年 26 巻 3 号 p. 440-445

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抄録

症例は9歳女児。4歳時から出現した難治性てんかんに対する外科的治療の適応の精査のため入院した。両腕伸展挙上時、左腕にNegative myoclonus(NM)を認めた。MRIで右前頭葉内側面に萎縮を認めた。NM時、頭皮上脳波では正中∼右中心、頭頂部に棘徐波を認めた。左上腕三頭筋での筋放電の消失の起始部をトリガーとしたJerk-locked back averaging法では、筋放電の消失に38ms先行する陰性棘波をCz最大で右半球優位に認めた。123I-Iomazenil投与3時間後のSPECTの視察判定で前頭葉底部及び内側面に左右差を認め、画像統計解析による判定で右側同部位、特に前補足運動野に有意な集積低下を認めた。以上の所見から本症例におけるNMに前補足運動野の機能障害が関連する可能性が示唆された。我々が検索した限り、NMに前補足運動野が関与するという報告はなく、興味ある1例と考えられた。

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© 2009 日本てんかん学会
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