てんかん研究
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短報
てんかん発作後頭痛に対するトリプタン製剤の有効性
辻 富基美西林 宏起郭 哲次篠崎 和弘
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2006 年 24 巻 4 号 p. 274-279

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抄録

てんかん患者の頭痛にトリプタン製剤を使用し、頭痛への有効性およびQOL改善について検討した。その中でも片頭痛の特徴をもつてんかん発作後頭痛の治療およびQOLについて注目した。対象は外来通院中のてんかん患者のうち、てんかん発作後頭痛をもつ2例と、発作間欠期に頭痛がある4例である。てんかん発作後頭痛2例とも前兆のない片頭痛の特徴をもち生活に重大な支障があった。トリプタン製剤によりてんかん発作後頭痛2例は軽快し、生活の支障が著明~中等度改善した。一方、発作間欠期の片頭痛3例ではトリプタン製剤による生活の改善は著明改善から軽度改善まで個体差が大きかった。トリプタン製剤は前兆のない片頭痛の特徴をもつてんかん発作後頭痛に有効で、QOL改善にも有効である可能性がある。

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© 2006 日本てんかん学会
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