てんかん研究
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ELマウス脳から分離したpolysomal poly (A)+mRNAのin vitroの系での翻訳活性について
中西 亜紀
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1998 年 16 巻 3 号 p. 165-174

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抄録

遺伝性てんかんモデルであるELマウス脳polysomal poly (A) +m RNAのin vitroでの蛋白質合成能を調べた。生後100日では、痙攣履歴の あるEL [s] とないEL [ns] で、母系のdd Yマウスと比べ翻訳活性の有意な低下がみられた。翻訳産物の解析では、ELの生後28日と100日のSDS-PAGEで、数本のバンドの35Sの取り込みが量的に異なる傾向を示した。100日の2次元電気泳動で、EL [ns] とdd Yとで認められた分子量23.5、32.5と33.0kDaの蛋白質がEL [s] で欠損し、痙攣履歴との相関が示唆された。Poly (A) 添加の実験では、両EL群のpoly (A) +m RNA翻訳活性がpoly (A) 添加濃度に従いpoly (A)-mRNAと類似の2相性のパターンを示し、ELマウスではpoly (A) 鎖と関連したpoly (A)+mRNA上の変化が翻訳活性に影響する可能性が予測された。

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