難治側頭葉てんかんに対する外科治療の適応精査を目的に, 蝶形骨誘導脳波-ビデオ同時記録を施行し, 発作時脳波を捉え得た15例32発作を対象にし, 発作時脳波からみた発作時症状の側方性について検討した。発作時脳波については一側限局, 一側優位, 判定不能の3群に分けて検討した。ジストニー肢位は, 発作焦点の対側にみられた。反復性言語自動症は, 発作焦点が劣位側にあるものにみられた。発作後の言語回復が速やかであったものは, 発作波が劣位側に限局していた。発作に対する健忘を伴うものは, 発作波が両側に出現する例に多くみられた。これらの結果から側頭葉てんかんにおける発作時症状は, 発作焦点を予測するうえで, 有用な情報を提供すると思われた。