日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
第32回学術総会/パネルディスカッション3 遺伝的検査を用いた検診の現状と課題
検診の継続のために必要なケアとサポート
~認定遺伝カウンセラーの立場から~
鈴木 美慧
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 32 巻 2 号 p. 191-195

詳細
抄録

日本の乳癌診療では2020年よりBRCA1/2遺伝子検査やHBOC に対するリスク低減手術やサーベイランスが保険診療の対象となった。遺伝情報を活用したサーベイランスは個人のライフスタイルや社会的状況に合わせたサポートが必須である。認定遺伝カウンセラーの役割は,遺伝性腫瘍のサーベイランス特有の心理的・経済的・社会的課題があるクライエントのニーズに合わせたケアとサポートを提供し,専門の検診外来と治療施設の連携の要になることである。また長期的にがんが見つかる可能性を抱えた状態をもつことで起こりうる心理的な状況に対しては,専門の外来での面談や電話対応などを定期的に行うことでサーベイランスの離脱率を下げることが期待されている。認定遺伝カウンセラーの立場からサーベイランスの継続に必要なまざまな診療科,医療機関の連携の体制づくりや心理的なサポートを重視した関わりについて紹介した。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top