日本乳癌検診学会誌
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職域集団に対する乳癌検診
検診方法の選択と要精検率, 癌発見率
松永 忠東太田 大介三坂 武温細川 勝正藤井 雅彦海瀬 博史日馬 幹弘小柳 泰久
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2002 年 11 巻 1 号 p. 81-88

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抄録

東京都職員乳癌検診を対象として, 年度別の検診方法と癌発見率, 要精検率の比較を行った。対象の約75%は前年度と同じ集団で, 検診は逐年で行われた。
1989年度から1999年度までの11年間の総検診者数は延べ18,879人であり, 乳癌は41人に発見された。検診方法は, 89, 90年度は視触診, 91, 92年度は45歳以上にdigital mammo radiography (DMR) を内外斜位方向撮影 (1R), 93年度から95年度はスクリーン/フィルム・マンモグラフィ (SMG) 1Rを併用し, 96年度からは50歳以上にSMG頭尾および内外斜位方向撮影 (2R) と50歳未満には超音波検査を併用した。
癌発見率は, 視触診のときは0.1%, 45歳以上にDMRまたはSMG1Rを併用すると0.25%, 50歳以上にSMG2Rと50歳未満に超音波を併用すると0.23%に向上した。要精検率は, 視触診のみでは18.2%であり, 45歳以上のDMR1R追加では12.6%, SMG1Rでは10.3%, 50歳以上にSMG2Rと50歳未満には超音波検診を施行した方法では5.5%に減少した。

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