2020 年 69 巻 8 号 p. 263-275
γ線スペクトロメトリにより地下水に含まれるラドン濃度を求めるための計数効率について検討した。前回の報告ではU8容器に密封された標準γ線体積線源と,細口テフロン容器に詰めた密度1.3 g/cm3の花崗岩粉末を比較測定して後者の214Pb 352 keVにおける計数効率を決定した。今回は花崗岩粉末と活性炭粉末から密度1.0 g/cm3の媒質を調整し,得られた計数効率は前回とよく一致した。この方法を用いて花崗岩の少ない地層である広島県備北地域の17カ所とこれまで測定データの少ない瀬戸内海島嶼部の21カ所を中心に地下水のラドン濃度を測定した結果を報告する。