2019 年 68 巻 12 号 p. 843-856
Telescope Array(TA)実験は北半球最大の宇宙線観測装置で,1018 eVを超える最高エネルギー宇宙線観測を継続している。近年では,TALE実験の増設によって1016 eVまで観測しきい値を下げるとともに,現在建設中のTA×4実験によって3,000 km2まで検出面積を拡張する。ここでは,これらの装置を紹介するとともに,これまでの10年間の観測よって得られた最新の結果,特にエネルギースペクトル,宇宙線化学組成,到来方向異方性について報告する。